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  第3回府中ビエンナーレ

第3回府中ビエンナーレ  美と価値  ポストバブル世代の7人


 2006年10月21日(土) ― 12月24日(日)  府中市美術館

 第3回府中ビエンナーレの出品作家たちは、バブルが崩壊した1990年代初頭からの10年間(ここではポストバブルと呼ぶ)に本格的な制作活動を始めています。安泰であるかに思われた価値がやすやすと転覆する現実を目の当たりにし、長期化する不況の中で閉塞感にさいなまれた、ポストバブル世代。彼らは、それまで拠り所としていた美術の共通の価値基盤を失ったと同時に、美術作品に価値が備わる仕組みに自覚的にならざるをえませんでした。彼らが、既存のイズムや特定の価値観との間に距離を取り、「美の価値」に懐疑の眼を向けていると感じられるのはそのためでしょう。彼らの姿勢には、作品の価値形成に作家が関わるのはどの部分なのか、どのように関わるのか、あるいは関わらないのかという問いへの真摯な取り組みがうかがわれます。
価値観の多様化、多元化が進行する現在、共通の「美の価値」も見いだしにくくなっています。その中で作家たちは、独自の方法論に基づいて作品を制作し、強度のある作品世界を築こうとしています。彼らの現在進行形の活動の中に、現代の「美」や「価値」の行方を、どうぞ探ってみてください。


 http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/Biennial3.html