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 細江英公 写真展 『薔薇刑』

細江英公 写真展 『薔薇刑


 2007.1.27 - 2.18  三菱地所アルティアム(福岡市中央区天神1、TEL 092-733-2050)

小説家三島由紀夫を被写体として、1963年に発表された作品「薔薇刑」は、細江英公の代表作であると同時に、戦後の日本写真史において最も重要な作品の一つといえます。1961年、三島由紀夫は当時新進気鋭の写真家であった細江が舞踏会の土方巽を撮影した作品を気に入り、自身の初めての評論集「美の襲撃」 (1961年)の口絵写真の撮影を細江に依頼します。その後、今度は自分の作品の被写体となるよう細江が三島に依頼し、翌62年の夏までの約10ヶ月間に渡り撮影を行い、1963年3月に写真集「薔薇刑」として集英社から出版されました。


1963年にデザイナー杉浦康平の装幀によって初めて出版された「薔薇刑」は、前代未聞の奇書として内外に大きな反響を呼び、細江は日本写真批評家協会作家賞を受けました。また三島の死の翌年の1971年には集英社から横尾忠則の装幀による新輯版「薔薇刑」が刊行され、1984年には粟津潔の装幀による新版と、時代とともに姿を変えて出版されてきました。そして「薔薇刑」世界の代表的な写真集として「20世紀の101冊の名作」の1冊として選ばれました。


この度の展覧会では、写真集でしか語られることの少なかった「薔薇刑」をオリジナルの写真で構成することにより、新たな解釈と認識を与えてくれることでしょう。本展では作家自身のセレクトによる未公開作品3点を含むオリジナルプリント約40点と、細江英公私蔵の関連資料とともに「薔薇刑」の全貌に迫ります。


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