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 麻生三郎とそのコレクション

麻生三郎とそのコレクション


 開催中 〜 11.3 tue  神奈川県立近代美術館(鎌倉館)

このたび神奈川県立近代美術館 鎌倉では、「麻生三郎とそのコレクション」展を開催いたします。戦前・戦後を通じて、美術界を牽引した重要な画家のひとり、麻生三郎(1913−2000)は、自身が共感を寄せる他の画家の作品を収集するコレクターでもありました。
 戦後フランスを代表する彫刻家セザール(1921−1998)の表現主義的な昆虫や人間のブロンズ像。リトアニア出身で20世紀アメリカの社会問題を人間味あふれるまなざしで、厳しくも詩情豊かにとらえたベン・シャーン(1898−1969)のテンペラ画や水彩画、そして版画連作の代表作「マルテの手記」。彫刻家オーギュスト・ロダン(1840−1917)の、代表作《地獄の門》に関連するモチーフを取り上げた、繊細かつ大胆な水彩画《ウゴリーノ》や、20世紀のドイツを代表する画家のひとりオットー・ディックス(1891−1969)の現実を直視する緊張感あふれる版画。閉塞した社会に生きる人間の本質を追究してきた彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジ(1931−)の水彩画。人間の実存を細長い人体像で多様なヴァリエーションとして表現したアルベルト・ジャコメッティ(1901−1966)のドローイングや版画、あるいは日本で生まれた最も優れた民画のひとつである江戸時代に制作された大津絵など、それらのコレクションは多種多様でありながらも、どこか麻生三郎の作品と通奏低音のように交感しあう造形要素を有しています。
 本展では当館に寄贈された麻生三郎コレクション(53点)の全貌を紹介し、あわせて麻生三郎自身の作品(油彩6点、水彩デッサン9点、彫刻1点)を展示して、それらの共鳴し響きあう魂の在処を辿り、麻生三郎がどのような視点で同時代の美術を捉え、自身の作品を展開していったのかを探求します。


 http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=k