『リシストラータ』は、紀元前385年頃のアテネの詩人アリストファネスの書いた喜劇です。20年に渡り続けられたアテネとスパルタの戦いに辟易したギリシャの女“リシストラータ”が、夫たちが戦いを続けるなら床をともにしない！と宣言し、敵味方の女たちが一致協力して夫との臥床を別にしたため、男たちがついに戦争を止めて平和の誓いを立てた…という物語。これをアメリカ人作家・文化評論家のギルバート・セルデス（Gilbert Seldes, 1893 –1970）が新たに戯曲として書き下ろしたのが本書です。当時のブロードウェイで上演され、大成功を収めたといわれています。
本作品は、1934年に刊行された『リシストラータ（女の平和）』（The Limited Editions Club, NY／1500部）です。ピカソのモノクロ・エッチング6点を収録。「宣誓する女性」「夫婦と子供」「シネジアとミルラ」「二人の老人とヨット」「スパルタとアテネの協定」「祝宴」という6点の構成からなります。1962年と1983年にフォトリトグラフで復刻されました。1934年版は、米国において唯一出版されたピカソのエッチング入り挿画本として知られています。
パブロ・ピカソ《リシストラータ（全６点セット）》
BFKリーヴ紙にエッチング（うち１つはドライポイント）の挿絵本
限定１５００ ※奥付にサイン及び限定番号
30 x 24 x 2 cm（本）
１９３４年
印刷：Roger Lacourière, Paris
出版：The Limited Editions Club, New York
カタログ・レゾネ：Georges Bloch 267-272, Brigitte Baer 387-392, Patrick Cramer books 24
